アメリカ

  • 人口:880.4万 (2020)
  • 面積:1,213 km²
  • 標高:25 m
  • タイムゾーン:東部時間(ET/EDT)
  • IATA:NYC
  • 通貨:米ドル。カード決済・コンタクトレス決済(Apple Pay、Google Pay、主要クレジット・デビットカード)がほぼどこでも使えます。ニューヨーク市の売上税8.875%はレジで加算され、表示価格には含まれません。チップは着席レストランで18〜22%、タクシーで15〜20%、バーでのドリンク1杯につき1〜2ドル(またはタブに対して15〜20%)、ホテルのベルボーイに1個1〜2ドル、ホテルの清掃スタッフに1泊2〜5ドルが目安です。ATMはいたるところにあり、ボデガ(小規模雑貨店)併設のATMは3〜5ドルの手数料がかかることが多い一方、銀行支店のATMはカード保有者であれば無料の場合が多いです。
  • 主要エリア:ミッドタウン・マンハッタン/タイムズスクエア · ロウアー・マンハッタン/金融街 · グリニッジ・ヴィレッジとソーホー · アッパー・イーストサイド/ミュージアム・マイル

概要

ニューヨークは米国最大の都市であり、世界を代表する大都市のひとつです — 5つの区(ボロー)に約830万人が暮らし、800以上の言語が話され、米国の金融・メディア・ファッション・演劇・現代アート・移民の中心地として機能しています。マンハッタンの碁盤の目とスカイライン、自由の女神、セントラルパーク、タイムズスクエア、ブロードウェイ、メトロポリタン美術館が一体となった文化的な渡航先としての知名度は、ロンドン・パリ・東京と並ぶ世界最高水準です。

自由の女神像と、その背後にそびえるロウアー・マンハッタンの摩天楼。

リバティ島とダウンタウンの摩天楼 — ニューヨークを告げる港の眺め。

歴史

ニューヨークは1624年、マンハッタン南端にオランダの交易拠点「ニューアムステルダム」として建設されました。1664年に英国が占領し、ヨーク公にちなんで「ニューヨーク」と改称されました。1785〜1790年には米国最初の首都として機能し、ウォール街の連邦議事堂(フェデラル・ホール)では1789年にジョージ・ワシントンが大統領就任式を行いました。19世紀には急速な発展を遂げます — 1825年開通のエリー運河がニューヨーク港と五大湖を結び、米国有数の港湾都市の地位を確立、キャッスル・ガーデンとその後のエリス島は数百万人の欧州移民を受け入れ、1811年のコミッショナーズ・プランは14丁目以北にマンハッタンの碁盤目状街路を敷き、1857〜1873年にセントラルパークが開園、1883年にブルックリン橋が完成、1898年1月1日に5区統合が発効し現在の市域が誕生しました。20世紀には超高層ビル(1902年フラットアイアン・ビル、1913年ウールワース・ビル、1930〜1931年クライスラー・ビルとエンパイア・ステート・ビル)、地下鉄(1904年開業)、ハーレム・ルネサンス、世界恐慌、そして1969年にクリストファー・ストリートで起きたストーンウォールの反乱(現代のLGBTQ+権利運動の出発点)を経験しました。2001年の同時多発テロで崩壊した旧ワールドトレードセンターの跡地には2014年、再建されたワン・ワールド・トレード・センターが完成しました。パンデミック後の回復はミッドタウンのオフィス需要の構造変化と周辺区の成長を加速させましたが、ニューヨークは今も米国の金融・メディア・ファッション・演劇・移民の中心地であり続けています。

文化

ニューヨークの代表的な食文化には、薄い生地のニューヨークスタイルピザ(ロンバルディーズ、ジョーズ、ディ・ファーラなど)、ロウアー・イーストサイドのラス&ドーターズやエサ・ベーグルで味わえるベーグル・サーモン・クリームチーズ、1888年創業のキャッツ・デリカテッセンのパストラミサンド、ジュニアーズのニューヨークスタイルチーズケーキ、1切れ1ドル前後の「ダラー・スライス」ピザ、53丁目・6番街のハラルガイズに代表される1〜3ドルのハラルカート(チキン&ライス)などがあります。移民コミュニティの食文化も奥深く、フラッシング・チャイナタウンは四川・広東・韓国・台湾料理、ジャクソンハイツは南アジア・中南米料理、ブロンクスのアーサー・アベニューはイタリア系食材、ブライトンビーチはロシア・ウクライナ料理が集まります。ウィリアムズバーグ(土曜)とプロスペクトパーク(日曜)の屋外フードマーケット「スモーガスバーグ」は個性豊かな出店者が並び、イータリー・フラットアイアンやチェルシーマーケットは高級フードホール、ユニオンスクエアのグリーンマーケット(水・金・土曜開催、市内最大規模)は地産食材の拠点です。 祭り・イベント: トライベッカ映画祭(6月), 全米オープンテニス(8月下旬〜9月上旬), ニューヨークシティマラソン(11月第1日曜), メイシーズ感謝祭パレード(11月第4木曜), タイムズスクエア・ニューイヤーズイブ・ボールドロップ(12月31日), レストランウィーク(冬・夏), マンハッタン・フラッシングチャイナタウンの旧正月(1〜2月), コニーアイランドのマーメイド・パレード(6月). 博物館: メトロポリタン美術館(メット), ニューヨーク近代美術館(MoMA), アメリカ自然史博物館, ソロモン・R・グッゲンハイム美術館, ホイットニー美術館, フリック・コレクション, ブルックリン美術館, 9/11メモリアル&ミュージアム, テネメント博物館.

ビジネス・経済

主要産業: 金融・銀行業(ウォール街、ミッドタウン), メディア・出版(ミッドタウン、ソーホー), ファッション(ガーメント・ディストリクト、ソーホー), 広告(マディソン・アベニュー), テクノロジー(シリコン・アレー、ハドソン・ヤード), 不動産・法律, 高等教育(NYU、コロンビア大学、CUNY), 演劇・視覚芸術. ビジネス拠点: ウォール街と金融街(金融), ミッドタウン・イースト/パーク・アベニュー(銀行、法律), ハドソン・ヤード(2019年以降の新興商業地区), ガーメント・ディストリクト(ファッション), マディソン・アベニュー(広告), ブルックリン海軍工廠(軽工業、食品), ロングアイランドシティ(シティグループタワー、メディア).

実用情報

治安: 観光地域(タイムズスクエア、セントラルパーク、ミュージアム・マイル、金融街、ブルックリン・ハイツ/DUMBO、ハイライン)では概ね安全です。地下鉄は巡回・利用者ともに多く、深夜の乗車や利用の少ない駅では基本的な注意が必要です。観光客が集まるエリアではスリや盗難などの財産犯罪に注意してください。周辺区は地域によって治安が異なるため、深夜の移動前にエリアを確認することをおすすめします。緊急通報は911。地下鉄内の緊急時は911へのテキストメッセージまたは車内の緊急連絡装置を利用してください。 言語: 英語が公用語です。スペイン語が第2言語として広く話されており(エルサルバドル系、ドミニカ系、プエルトリコ系、メキシコ系、コロンビア系コミュニティなど)、マンハッタンとフラッシングのチャイナタウンでは北京語・広東語、ブライトンビーチではロシア語、ジャクソンハイツではベンガル語・ヒンディー語・パンジャブ語、マンハッタンのKタウン(32丁目)とフラッシングでは韓国語、ベイリッジ(ブルックリン)とアストリアではアラビア語が使われています。市内では800を超える言語が家庭内で話されており、都市としては世界最多です。 通貨: 米ドル。カード決済・コンタクトレス決済(Apple Pay、Google Pay、主要クレジット・デビットカード)がほぼどこでも使えます。ニューヨーク市の売上税8.875%はレジで加算され、表示価格には含まれません。チップは着席レストランで18〜22%、タクシーで15〜20%、バーでのドリンク1杯につき1〜2ドル(またはタブに対して15〜20%)、ホテルのベルボーイに1個1〜2ドル、ホテルの清掃スタッフに1泊2〜5ドルが目安です。ATMはいたるところにあり、ボデガ(小規模雑貨店)併設のATMは3〜5ドルの手数料がかかることが多い一方、銀行支店のATMはカード保有者であれば無料の場合が多いです。

旅行

ニューヨークは、マンハッタン・ブルックリン・クイーンズ・ブロンクス・スタテンアイランドの5つの区が1898年にひとつの市として統合されてできた都市で、市域人口は約830万人、ニューヨーク・ニュージャージー・コネチカットにまたがるトライステート大都市圏の人口は約1,950万人に及びます。中心となるマンハッタン島(面積59平方km)は、1811年の「コミッショナーズ・プラン」によって14丁目以北に有名な碁盤目状のアベニュー・ストリート網が敷かれた一方、ハウストン・ストリート以南のソーホー、金融街、ロウアー・イーストサイド、グリニッジ・ヴィレッジには、オランダ・英国植民地時代からの古い街路網が今も残ります。象徴的なスカイラインは、ミッドタウンの超高層ビル群(エンパイア・ステート・ビル381m、ワン・ヴァンダービルト427m、セントラル・パーク・タワー472m、1930年建造のアールデコ様式のクライスラー・ビルのステンレス製尖塔)から、ロウアー・マンハッタンの金融街の高層ビル群(西半球で最も高いワン・ワールド・トレード・センター541m)まで続きます。ブロードウェイと7番街が交差する42丁目〜47丁目のタイムズスクエアは年間約5,000万人が訪れる市内随一の観光スポットで、周辺の41のブロードウェイ劇場は世界で最も権威ある商業演劇の拠点としてトニー賞の舞台にもなっています。1857年にフレデリック・ロー・オルムステッドとカルバート・ヴォーが設計した米国初の本格的な都市公園、セントラルパークは59丁目から110丁目まで南北4kmにわたり、年間4,200万人が訪れます。5番街の82丁目〜105丁目に集まる「ミュージアム・マイル」には10の主要美術館・博物館が並びます — メトロポリタン美術館(通称「メット」、17エーカーの展示スペースに5,000年の美術史を収める西半球最大の美術館)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト設計の1959年建造のらせん建築)、クーパー・ヒューイット・スミソニアン・デザイン・ミュージアム、ユダヤ博物館、ニューヨーク市立博物館、エル・ムセオ・デル・バリオなど。マンハッタン各所には、ピカソ『アヴィニョンの娘たち』やゴッホ『星月夜』を収蔵する西53丁目のMoMA、ハイラインの南端に立つホイットニー美術館、セントラルパーク・ウエスト沿いの自然史博物館、ヘンリー・クレイ・フリックの豪邸を利用したフリック・コレクション、ロウアー・イーストサイドのテネメント博物館などが点在します。自由の女神像(1886年、米国独立を記念してフランスから贈られた)とエリス島(1892〜1954年に1,200万人の移民を受け入れた審査施設、現在は国立移民博物館)は、バッテリーパークからのステイチュー・クルーズのフェリーでアクセスでき、無料のスタテンアイランド・フェリー(ホワイトホール・ターミナル発)からも間近に自由の女神を眺められる、市内屈指のコストパフォーマンスの高い観光体験です。ワールドトレードセンター跡地の9/11メモリアル&ミュージアムは、崩壊したツインタワーの基礎跡に設けられた2つの反射プールを中心とする6.5ヘクタールの広場で、2001年9月11日の犠牲者2,977人(および1993年のトラック爆破テロの犠牲者)の名前が青銅の欄干に刻まれています。マンハッタンを離れると、市内最大の人口(270万人)を誇るブルックリンには、ブルックリン橋のウォーターフロントとDUMBOのギャラリー街、褐色砂岩の街並みが美しいパークスロープ、屋外フードマーケット「スモーガスバーグ」で知られるヒップなウィリアムズバーグ、コニーアイランドの木造ジェットコースター「サイクロン」とボードウォーク、セントラルパークと対をなすプロスペクトパーク、ブルックリン美術館・植物園が広がります。クイーンズ(米国で最も民族的多様性の高い郡)には、ロングアイランドシティのペプシコーラの看板とMoMA PS1、アストリアのギリシャ・エジプト系コミュニティ、世界最大級のチャイナタウンを擁するフラッシング、メッツの本拠地シティ・フィールド、2度の万博会場となったフラッシング・メドウズ・コロナ・パーク、全米オープンテニスの舞台USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターがあります。ブロンクスにはヤンキー・スタジアム、米国最大級の都市型動物園ブロンクス動物園、ニューヨーク植物園があります。ホワイトホールから無料フェリーでアクセスできるスタテンアイランドは住宅地の色合いが強いですが、スナッグ・ハーバー文化センターと自然保護区グリーンベルトがあります。空の玄関口は3つの主要空港(いずれもニューヨーク・ニュージャージー港湾局が運営) — 国際線ハブのジョン・F・ケネディ国際空港(JFK、クイーンズ南東部、エアトレインでジャマイカ駅またはハワードビーチ駅に接続し地下鉄・LIRRに乗り換え)、2022年に改修された国内線中心のラガーディア空港(LGA、クイーンズ、Q70バスで地下鉄に接続)、ニュージャージー州のニューアーク・リバティー国際空港(EWR、エアトレインでPATHとNJトランジットに接続)。ニューヨーク大都市交通局(MTA)は地下鉄(472駅・36路線・24時間運行、駅数で世界最大級)、バス、ロングアイランド鉄道(LIRR)、メトロノースを運営し、2022年以降はコンタクトレス決済「OMNY」(コンタクトレス対応カードやApple Pay・Google Payをタッチ)がメトロカードに代わって普及しています。マディソン・スクエア・ガーデンの地下にあるペン・ステーションはアムトラック北東回廊線(ワシントンDCまで2時間50分、ボストンまで3時間30分)とNJトランジット・LIRRの発着駅、42丁目とパーク・アベニューのグランド・セントラル・ターミナルはメトロノース(ウェストチェスター、コネチカット、ブロンクス方面)の終着駅です。

ミッドタウン・マンハッタンと象徴的なスカイライン

14丁目から59丁目までのミッドタウン・マンハッタンは、超高層ビル群と最も人気の高い公共空間が集まる商業・景観の中心地です。エンパイア・ステート・ビル(381m、1931年にわずか1年強で完成、1931〜1970年と2001〜2012年の2度にわたりニューヨーク一の高さを誇った)には86階の屋外展望デッキと102階の屋内展望デッキがあり、公式サイト(empirestatebuilding.com)での事前予約が行列回避に強く推奨されます。ロックフェラーセンターの「トップ・オブ・ザ・ロック」(260m、3層の屋外展望フロア)からはエンパイア・ステート・ビルそのものを前景に望め、ハドソン・ヤードにあるガラス張りの展望台「エッジ」も人気です。ブロードウェイと7番街が交差する42丁目〜47丁目のタイムズスクエアは、商業ネオンサインの世界的アイコンで年間約5,000万人が訪れ、周辺のシアター・ディストリクトには米国の商業演劇を代表する41のブロードウェイ劇場が集まります。グランド・セントラル・ターミナルの中央コンコース(天井の天体画とボザール様式の大理石階段)はチケット不要で誰でも見学できます。5番街のニューヨーク公共図書館本館(ライオン像「ペイシェンス」と「フォーティテュード」、ローズ・リーディング・ルーム、グーテンベルク聖書級の企画展)は、季節限定のアイススケートリンクと屋外読書スペースがあるブライアントパークから1ブロックです。1930年建造、ステンレス製アールデコ様式の尖塔が特徴のクライスラー・ビルは多くの建築評論家から「ニューヨークで最も美しい摩天楼」と評されますが、一般公開されているのはロビーのみです。12月上旬のロックフェラーセンターのクリスマスツリー点灯式と向かいのサックス・フィフス・アベニューのライトショーは、シーズン最大の人出を集めます。

ロウアー・マンハッタン、自由の女神、9/11メモリアル

カナル・ストリート以南のロウアー・マンハッタンには市内最古の街並みが残ります — オランダ・英国植民地時代の街路網を今に伝えるウォール・ストリート、ブロード・ストリート、ストーン・ストリート、1789年にジョージ・ワシントンが大統領就任式を行った現存する連邦議事堂(フェデラル・ホール)、1903年建造のニューヨーク証券取引所の列柱、アレクサンダー・ハミルトンの墓があるトリニティ教会(1846年建造)、ボウリング・グリーンの「突進する雄牛」像と「恐れ知らずの少女」像。ワールドトレードセンター跡地の9/11メモリアル&ミュージアムは、崩壊したツインタワーの基礎跡に設けられた2つの反射プールを中心とする6.5ヘクタールの広場で、2001年9月11日の犠牲者2,977人と1993年のトラック爆破テロの犠牲者6人の名前が青銅の欄干に刻まれています。館内では実物資料と生存者の証言を通じて事件が伝えられており、事前の時間指定チケットが必須です。ワン・ワールド・トレード・センター(541m、西半球最高層、2014年完成)の最上階には3層構成の展望施設「ワン・ワールド・オブザーバトリー」があります。自由の女神像(1886年、フレデリック・オーギュスト・バルトルディが米国独立100周年を記念してフランスから贈った作品で、内部構造はギュスターヴ・エッフェルが設計)とエリス島(1892〜1954年に1,200万人の移民を受け入れた審査施設、現在は国立移民博物館)へは、バッテリーパークのステイチュー・クルーズ・ターミナルからフェリーでアクセスします — 台座・王冠部分の見学には事前予約が必要で、夏季は数週間前の予約が推奨されます。ホワイトホール・ターミナル発の無料スタテンアイランド・フェリーは15〜30分おきに24時間運航し、自由の女神を間近に眺められる市内屈指のコストパフォーマンスの高い観光体験です。

セントラルパーク、メトロポリタン美術館、ミュージアム・マイル

1857〜1873年にフレデリック・ロー・オルムステッドとカルバート・ヴォーが設計した米国初の本格的な都市公園セントラルパークは、59丁目から110丁目まで南北4km、5番街からセントラル・パーク・ウエストまで東西800mにわたり、総面積3.41平方kmの中に草地・湖・林・整形庭園・アイスリンク・貯水池のランニングコースを擁します。年間4,200万人が訪れ、ピクニックや自転車、散策のほか馬車やペディキャブツアーも利用でき、ベセスダ・テラス、ボウ・ブリッジ、ジョン・レノンの追悼スポット「ストロベリー・フィールズ」(彼が撃たれたダコタ・アパートメントの向かい)、ローブ・ボートハウス、コンサバトリー・ガーデンなどが人気エリアです。5番街の82丁目〜105丁目に広がる23ブロックの「ミュージアム・マイル」には10の主要美術館・博物館が集まります — メトロポリタン美術館(通称「メット」、17エーカーの展示スペースに5,000年の美術史を収める西半球最大の美術館。エジプトのデンドゥール神殿、フェルメール・レンブラント・ベラスケスを含む欧州絵画部門、メットガラで知られるコスチューム・インスティテュート、ティファニーやフランク・ロイド・ライトの部屋を含むアメリカン・ウイング、武器・甲冑コレクションなど)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト設計の1959年建造のらせん建築、近現代アートの企画展を随時開催)、ノイエ・ギャラリー(クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」)、クーパー・ヒューイット・スミソニアン・デザイン・ミュージアム(アンドリュー・カーネギーの旧邸)、ユダヤ博物館、ニューヨーク市立博物館、エル・ムセオ・デル・バリオ、アフリカ・センターなど。70丁目にあるフリック・コレクション(実業家ヘンリー・クレイ・フリックの豪邸、大規模改修を経て再オープン)はフェルメール、レンブラント、ベラスケス、ベリーニ、エル・グレコ、ホイッスラーなど「金メッキ時代」の実業家が集めた巨匠の作品を収蔵しています。メットはニューヨーク州民(居住証明が必要)には「支払いたい額を支払う」方式の入場が可能で、それ以外の来館者は30ドルでメット本館・フォート・トライオン公園内のメット・クロイスターズを含む同日中のすべての施設に入場できます。

MoMA、ホイットニー美術館と現代アート

5番街と6番街の間、西53丁目にあるニューヨーク近代美術館(MoMA)は世界を代表する近代アート美術館です — パブロ・ピカソ『アヴィニョンの娘たち』(1907年)、フィンセント・ファン・ゴッホ『星月夜』(1889年)、サルバドール・ダリ『記憶の固執』(1931年)、アンリ・マティス『ダンス(I)』(1909年)、アンディ・ウォーホル『キャンベルのスープ缶』のほか、セザンヌ、クリムト、シャガール、ポロック、ロスコなどを収蔵し、1969年製ボーイング747のファーストクラスシートを含む評価の高い建築・デザイン部門もあります。2019年のディラー・スコフィディオ+レンフロによる改修でギャラリー面積が30%拡大しました。毎週金曜夜4〜8時は無料(ユニクロ協賛の「フリー・フライデー・ナイト」)ですが行列が長くなるため、通常は事前の時間指定チケットが推奨されます。ミートパッキング・ディストリクトのハイライン南端にあるホイットニー美術館(レンゾ・ピアノ設計、2015年開館)は20〜21世紀のアメリカ美術を最も網羅的に収蔵しており、エドワード・ホッパー『日曜の朝早く』、ジョージア・オキーフ、ジャクソン・ポロック、アンディ・ウォーホル、シンディ・シャーマンの作品や、奇数年ごとに開催される「ホイットニー・ビエンナーレ」が有名です。屋外の階段状テラスからはハドソン川とマンハッタンのスカイラインが一望できます。1934年建造の貨物鉄道跡地を利用した全長2.3kmの高架公園「ハイライン」(2009〜2014年に段階開業)は、ホイットニー美術館からウエスト・チェルシーのギャラリー街を抜けてハドソン・ヤードまで続き、ピート・アウドルフによる植栽デザインでも知られます。ボウリー通りのニューミュージアム(SANAA設計、2007年開館の非対称ボックスが積み重なる建物)は現代アートに特化しています。プロスペクトパーク沿いのブルックリン美術館はメットに匹敵するエジプト・コレクション、ジュディ・シカゴの『ディナー・パーティー』(1979年)を常設展示するエリザベス・A・サックラー・フェミニストアートセンター、充実したアメリカ絵画コレクションで知られます。

ブルックリン — ブルックリン橋、DUMBO、ウィリアムズバーグ、コニーアイランド

市内最大の人口(270万人)を擁するブルックリンは、20世紀の「マンハッタンのベッドタウン」的な位置づけから、独自の文化・食の発信地へと変貌を遂げ、褐色砂岩の街並みとヒップな食文化、多様な民族性が融合した「ブルックリン」というブランドは世界的な現象にもなっています。ブルックリン橋(1883年、ジョン・A・ローブリングによる先駆的な吊り橋設計とゴシック様式の石造りの塔)は世界で最も撮影される建造物のひとつで、ブルックリン側のキャドマン・プラザからマンハッタン側の市庁舎までの歩行者・自転車専用通路の所要時間は約30分、夜明けや日没直後が特におすすめです。橋の下に広がるDUMBO(マンハッタン橋高架下)にはブルックリン・ブリッジ・パーク(ジェーンズ・カルーセル、リバーフロントの遊歩道、ワシントン・ストリートから見えるマンハッタン橋越しのエンパイア・ステート・ビル)があり、ブルックリン・ハイツには褐色砂岩の街並みが続くプロムナードと歴史地区が広がります。ブルックリン北部のウィリアムズバーグ(マンハッタンからLトレインで2駅)には、ヒップな屋外フードマーケット「スモーガスバーグ」(土曜日、イースト・リバー・ステート・パーク)、ブルックリン・ブルワリー、マッカレン・パークの週末の賑わい、そして今も相当規模のハシディズム系ユダヤ人コミュニティが残るサウス・ウィリアムズバーグがあります。褐色砂岩の街並みが続くパークスロープと、オルムステッドとヴォーによるセントラルパークの「対」の作品とされるプロスペクトパーク(規模は小さいものの通好みには評価が高い)が区の中心を成しています。ブルックリン最南端のコニーアイランドは米国発祥の海辺のリゾート地で、1927年建造の木造ジェットコースター「サイクロン」(市の史跡指定)、1916年創業のホットドッグ店ネイサンズ、ボードウォーク、毎年6月の「マーメイド・パレード」で知られ、マンハッタンからD/F/N/Q系統の地下鉄で約45分、真夏の定番の日帰りスポットです。

クイーンズ、ブロンクスと周辺区

クイーンズは米国で最も民族的多様性の高い郡で、800を超える言語が話されており、これはどの郡よりも多い数です。ロングアイランドシティのペプシコーラの看板とMoMA PS1(ロマネスク様式の旧学校校舎を改装したクイーンズの現代アート拠点)から、ギリシャ・エジプト系コミュニティが根付くアストリア(ルドルフ・ヴァレンティノやマルクス兄弟、『セサミストリート』が撮影された歴史あるアストリア・スタジオを利用したモービング・イメージ博物館)、アイルランド系の伝統が残るサニーサイド、南アジア・中南米系の食文化が交差するジャクソンハイツ、世界最大級のチャイナタウンを擁するフラッシング(韓国系・台湾系・中国本土系・東南アジア系が混在)、メッツの本拠地シティ・フィールド、2度の万博会場(1939年・1964年、1964年の象徴「ユニスフィア」が今も公園を彩る)となったフラッシング・メドウズ・コロナ・パーク、毎年8月下旬〜レイバーデーにかけて全米オープンテニスが開催されるUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターまで多彩な表情を見せます。ブロンクスにはヤンキー・スタジアム(ニューヨーク・ヤンキースの本拠地、スタジアムツアーや試合前のモニュメントパーク見学も可能)、米国最大級の都市型動物園ブロンクス動物園(モノレール「ワイルド・アジア」とコンゴ・ゴリラの森が見どころ)、米国屈指の植物園ニューヨーク植物園(ビクトリア様式の温室エニッド・A・ハウプト・コンサーバトリーが有名)、マンハッタンのマルベリー・ストリートよりも「本場」との評価も高いイタリア系コミュニティ、アーサー・アベニュー、詩人エドガー・アラン・ポーが晩年を過ごしたポー・コテージがあります。市内最南端で人口最少(約50万人)のスタテンアイランドは、ホワイトホール・ターミナルから無料の25分間のフェリーでアクセスでき、スナッグ・ハーバー文化センター、スタテンアイランド博物館、1,200ヘクタールの森林保護区グリーンベルトが主な見どころです。

ブロードウェイ、リンカーン・センターと舞台芸術

タイムズスクエア周辺のシアター・ディストリクトに集まる41の劇場からなる「ブロードウェイ」は、世界で最も権威ある商業演劇の集積地で、トニー賞の評価基準そのものです。主な劇場には、ガーシュウィン劇場(2003年から続く『ウィキッド』)、リチャード・ロジャース劇場(2015年から続く『ハミルトン』)、ユージン・オニール劇場(2011年から続く『ザ・ブック・オブ・モルモン』)、マジェスティック劇場(1988〜2023年に上演された『オペラ座の怪人』が長らく本拠地としていた)などがあります。チケットはブロードウェイ公式ボックスオフィス、TodayTixアプリ、またはタイムズスクエアのTKTSブースでの当日割引販売(30〜50%オフが多く、夜公演の場合は午前11時頃から行列ができます)で購入できます。100〜499席の小規模劇場「オフ・ブロードウェイ」(新作の実験の場となることが多い)と100席未満の「オフ・オフ・ブロードウェイ」(より実験的)も市内の演劇文化を支えています。コロンバス・アベニューと65丁目にあるリンカーン・センターは世界最大の舞台芸術複合施設で、メトロポリタン歌劇場(マルク・シャガールの壁画とHDシネマ上映で知られる米国屈指のオペラハウス)、ニューヨーク・フィルハーモニック(デイヴィッド・ゲフィン・ホール)、ニューヨーク・シティ・バレエ団とニューヨーク・シティ・オペラ(デイヴィッド・H・コック劇場)、リンカーン・センター・シアターのヴィヴィアン・ボーモント劇場とミッツィ・E・ニューハウス劇場、そしてウィントン・マルサリス率いるジャズ・アット・リンカーン・センター(タイム・ワーナー・センター内)など16の施設を擁します。西57丁目のカーネギーホールは市内屈指の格式あるコンサートホール、ハーレム125丁目のアポロシアターはエラ・フィッツジェラルド、スティービー・ワンダー、ジミ・ヘンドリックスらを輩出した伝説の「アマチュア・ナイト」で知られ、ペン・ステーション上のマディソン・スクエア・ガーデンは市内最大の屋内アリーナ(ニックス、レンジャーズの本拠地、大型ロックコンサートも開催)です。

実用情報 — 空港、地下鉄、エリア別ガイド

ニューヨーク大都市圏には3つの主要空港があり、いずれもニューヨーク・ニュージャージー港湾局が運営しています — 国際線ハブのジョン・F・ケネディ国際空港(JFK、クイーンズ南東部。エアトレイン利用でジャマイカ駅からLIRR・地下鉄Eライン、またはハワードビーチ駅から地下鉄Aラインに接続、料金8.75ドル)、2022年改修の国内線中心のラガーディア空港(LGA、クイーンズ、Q70バスでルーズベルト・アベニュー駅の地下鉄に接続、ミッドタウンまでタクシーで約40〜50ドル)、ニュージャージー州のニューアーク・リバティー国際空港(EWR、エアトレイン・ニューアーク経由でNJトランジット・PATHに接続)。羽田・成田からの直行便は主要3空港のうちJFKまたはニューアークに就航しています。ニューヨーク大都市交通局(MTA)が運営する地下鉄は472駅・36路線・24時間運行で、駅数では世界最大級のシステムです。片道運賃は2.90ドル、コンタクトレス決済「OMNY」(対応クレジットカード・デビットカード・Apple Pay・Google Pay)を使うと同一の決済手段で7日間の運賃が34ドルで頭打ちになります(7日間で12回乗車すると以降は無料)。従来のメトロカードは段階的に廃止予定ですが引き続き利用できます。イエローキャブは路上で乗車でき、Uber・Lyft・Curb(タクシー配車アプリ)も市内全域で利用可能です。マディソン・スクエア・ガーデンの地下にあるペン・ステーションはアムトラック(ワシントンDCまでアセラで2時間50分、ボストンまで3時間30分)、NJトランジット、LIRRの発着駅、42丁目とパーク・アベニューのグランド・セントラル・ターミナルはメトロノース(ウェストチェスター、コネチカット、ブロンクス方面)のボザール様式の終着駅で、それ自体が観光名所でもあります。売上税8.875%はレジで加算され、表示価格には含まれません。チップは着席レストランで18〜22%、タクシーで15〜20%、バーでのドリンク1杯につき1〜2ドル、ホテルのベルボーイに1個1〜2ドルが目安です。観光地・中心業務地区では概ね安全ですが、地下鉄の深夜利用などでは一般的な都市部の注意が必要です。

よくある質問

ニューヨークの最新の旅行情報はどこで確認できますか?

このページに掲載した公式の観光・交通情報を利用し、訪問前に営業時間、入場券、運行変更を確認してください。

ニューヨークの観光施設は事前予約が必要ですか?

混雑期は事前予約をおすすめします。人気の美術館、展望台、ツアー、イベントは時間指定制や売り切れになる場合があります。

ニューヨークではどのように移動するのが便利ですか?

公共交通機関と中心部の徒歩移動を組み合わせるのが便利です。当日は公式経路検索で工事や時刻表の変更を確認してください。

ニューヨークにある外国公館

この都市に置かれている公館は15か所です。地域別にまとめています。

情報はVisajaの在外公館データベース(visaja.com)に基づき、公的な情報源と照合していますが、最終的な判断は常に公館自身にあります。