アメリカ
アメリカは、ニューヨークの摩天楼からグランドキャニオンの太古の地層、ハワイのビーチまで、一つの大陸がまるごと一つの国になったような場所です。日本のパスポートなら話はシンプルで、ハワイ・グアムを含む全土で、観光・商用90日以内の滞在はビザ免除プログラム(VWP)の対象のためビザ不要、ただしESTA(電子渡航認証)の事前申請が必須です。90日を超える滞在や就労・留学には、目的に応じたビザ申請が必要です。
アメリカのビザ・入国制度
アメリカのビザ制度は世界で最も複雑な部類ですが、日本のパスポートの短期渡航はシンプルです。日本、韓国、欧州の大半、オーストラリア・ニュージーランドなどのビザ免除プログラム(VWP)参加国の国民は、観光・商用90日以内ならESTA(電子渡航認証)で入国できます。ESTAはオンライン申請で、遅くとも出発72時間前までに申請し、承認は2年間(またはパスポートの失効まで)有効です。料金は改定されることがあるため、申請時に公式サイトで最新額を確認してください。申請は必ず米国政府の公式サイトから。検索広告の代行サイトは高額な手数料を上乗せします。90日を超える滞在や就労・留学は、在日米国大使館・領事館での目的別のビザ申請になります(B-1/B-2、F-1、L-1など)。有効なESTAやビザがあっても入国が保証されるわけではなく、最終判断は入国地の税関・国境警備局(CBP)審査官が行います。
ビザの種類
日本を含むVWP参加国の国民の観光・商用・乗り継ぎ。オンライン申請のみで大使館訪問は不要。IC旅券(機械読取式パスポート)が条件で、日本の現行パスポートはすべて対象です。ハワイ・グアム・サイパンを含む米国全土で必要。
渡航前に知っておくべきこと
- ESTAは必須:日本のパスポートは90日以内の観光・商用ならビザ不要ですが、ESTAの事前承認が必要です。ハワイ・グアム・サイパンも対象。申請は必ず米国政府のESTA公式サイトから。検索上位に出る代行サイトは高額な手数料を上乗せします。
- ESTAのタイミングと料金:遅くとも出発72時間前までに申請。承認は2年間またはパスポート失効まで有効です。料金は改定されることがあるため、申請時に公式サイトで最新額を確認してください。延長はできません。90日を超えるならB-1/B-2ビザを申請してください。
- ビザ面接:B-1/B-2などの非移民ビザは在日米国大使館・領事館での面接が原則必要です。予約の待ち時間は時期により大きく変動するため、余裕を持って申請を。
- 入国は保証されない:有効なESTAやビザがあっても、最終判断は入国審査官(CBP)の裁量です。滞在目的、宿泊先、資金、帰国予定について明確に答えられるようにしておきましょう。
- 通貨:米ドル(USD)。カードはほぼどこでも使えます。現金はチップ、屋台、一部のタクシー、小さな店で有用。ATMは至る所にあります。
- チップは義務:チップはアメリカの賃金制度の一部で、事実上の義務です。着席レストランで税抜額の18〜20%、タクシーは15〜20%が標準。バーでは1杯ごと、ホテル清掃には1泊ごと、ポーターには荷物1個ごとに、少額の紙幣で渡すのが慣例です。チップなしは非常に失礼とみなされます。
- 医療費は桁違い:国民皆保険はなく、無保険の治療費は極めて高額です(救急搬送だけで数十万円相当になることも)。医療補償の手厚い海外旅行保険は必須です。日本の感覚で「保険なしでも大丈夫」は通用しません。
- 距離感覚:国土は日本の約25倍。ニューヨーク〜ロサンゼルスは4,500km(飛行機で5時間超)。「近く」の街が車で4時間ということも。長距離は国内線、都市間はAmtrak、ロードトリップと郊外はレンタカーが基本です。
- 州ごとに法律が違う:制限速度、酒類の規制、大麻の合法性(連邦法では違法)、消費税率は州ごとに異なります。飲酒可能年齢は全国一律21歳で、パスポート等の年齢確認は日常的です。
- 表示価格に税は含まれない:店頭・メニューの価格に売上税(州により4〜10%)は含まれず、会計時に加算されます。レストランではさらにチップが乗ります。
- オーバーステイ厳禁:ESTAやビザの滞在期限超過は、強制退去、将来の入国拒否、他国のビザ取得への悪影響につながります。認められた滞在期間を厳守してください。
- 電圧とプラグ:120V・60Hz、プラグはA型(日本と同形状)。日本の電化製品はほぼそのまま使えますが、ヘアドライヤーなど高出力機器は対応電圧の確認を。
旅行概要
アメリカ旅行の魅力は、その振れ幅にあります。ニューヨークはマンハッタンの摩天楼とブロードウェイ、そして街角のピザからミシュランの星付きまで併存する食の都。西海岸にはロサンゼルスのハリウッドとビーチカルチャー、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジと坂の街並みがあり、シカゴは摩天楼発祥の建築の街、ニューオーリンズはジャズの故郷、ワシントンD.C.は入場無料のスミソニアン博物館群を擁する政治の中枢です。都市を一歩出れば、グランドキャニオン、イエローストーン、ヨセミテといった国立公園が桁違いのスケールで待ち、砂漠から森、海岸線へと景色が刻々と変わる大地を走るロードトリップは、この国でしか味わえない旅の形。日本の旅行者には、直行便の多さと日本語の通じやすさで敷居の低いハワイという特別な入口もあります。食はテキサスのバーベキューからルイジアナのクレオール料理、大都市の移民コミュニティの味まで、一つの国のなかで世界を一周できます。
アメリカを発見
アメリカ旅行でいちばん多い失敗は、「一度で全部見よう」とする旅程です。ニューヨークとロサンゼルスの間は約4,500km、東京からバンコクまでに匹敵する距離で、横断すれば移動だけで旅が終わります。成功する旅程は、都市を一つか二つに絞って小さな周遊を足す形です。西海岸ならサンフランシスコやロサンゼルスにヨセミテかビッグサーのドライブを、南西部ならラスベガスを拠点にグランドキャニオンとユタの国立公園群を、東海岸ならニューヨークにワシントンD.C.かボストンを組み合わせるのが定番。地域ごとに気候も文化も別の国のように違うので、「アメリカ」を一つの目的地として扱わないことが、結局いちばんの近道です。
この目的地の楽しみ方
ニューヨーク(マンハッタンの摩天楼、ブロードウェイ、メトロポリタン美術館、MoMA、セントラルパーク、ブルックリン)、ロサンゼルス(ハリウッド、ベニスビーチ、ゲッティセンター)、サンフランシスコ(ゴールデンゲート、アルカトラズ、ケーブルカー)、シカゴ(建築、ディープディッシュピザ)、マイアミ(アールデコ、リトルハバナ)、ニューオーリンズ(ジャズ、フレンチクォーター)、ワシントンD.C.(スミソニアン博物館群は入場無料、リンカーン記念堂)。
グランドキャニオン(アリゾナ)、イエローストーン(ワイオミング:間欠泉と野生動物)、ヨセミテ(カリフォルニア:花崗岩の絶壁と滝)、ザイオンとブライスキャニオン(ユタ:赤い岩)、グレイシャー(モンタナ)、グレートスモーキー山脈(最多入園者数)、アケーディア(メイン:大西洋岸)、デナリ(アラスカ)。America the Beautiful年間パスで63の国立公園すべてに入れます(料金は計画時に公式サイトで確認を)。
パシフィック・コースト・ハイウェイ(サンフランシスコ〜ロサンゼルス、ビッグサー経由)、ルート66(シカゴ〜ロサンゼルスの古典)、ユタのマイティ・ファイブ(5国立公園を一筆書き)、ブルーリッジ・パークウェイ(アパラチアの紅葉)、フロリダキーズ(マイアミ〜キーウェスト)、モニュメントバレーとデスバレーの南西部砂漠。
テキサスバーベキュー(オースティンのブリスケット)、ニューヨークのピザとベーグル、ルイジアナのクレオール&ケイジャン(ガンボ、ジャンバラヤ)、メイン州のロブスターロール、カリフォルニアワインカントリー(ナパ、ソノマ)、太平洋岸北西部のシーフードとクラフトビール(ポートランド、シアトル)、シカゴのディープディッシュ、ナッシュビルのホットチキン。
ナッシュビル(カントリー音楽、グランド・オール・オプリ)、ニューオーリンズ(ジャズ、プリザベーションホール)、メンフィス(ビール・ストリートのブルース、サン・スタジオ、グレイスランド)、オースティン(ライブ音楽の世界首都)、ニューヨーク(ブロードウェイ、カーネギーホール)、ロサンゼルス(ハリウッドのスタジオ群)、フェスティバル(コーチェラ、SXSW)。
ハワイ(ワイキキ、マウイのハナへの道、ビッグアイランドの火山、カウアイのナパリコースト)。日本からの直行便が多く、家族旅行の定番。フロリダ(マイアミビーチ、キーズ)、カリフォルニア(マリブ、サンタモニカ、サンディエゴ)、プエルトリコ(オールドサンフアン)、ノースカロライナのアウターバンクス。
お金と通貨
米ドル($)
通貨コード: USD
お金の実用的なヒント
アメリカの通貨と両替
通貨は米ドル(USD、$)です。日本での事前両替は最小限にして、現地ATMでの引き出しを軸にするのが有利です。空港やホテルの両替所は3〜8%の手数料を取りますが、ATMなら銀行間レートに自分のカードの手数料が乗るだけで済みます。日本の空港の外貨両替はレートが良くないため、当座の$50〜100だけ用意し、残りは現地調達が基本形です。デビットカード(またはWiseなどのマルチカレンシーカード)と、予備のクレジットカードを別々に持っていくと安心です。
ATM事情
ATMは銀行、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、モール、空港と、どこにでもあります。大手銀行(Chase、Bank of America、Wells Fargo、Citi)のATMは外国カードに1回$2〜5の手数料、コンビニの独立系ATMは$3〜7かかることがあります。日本のカードはVisa/Mastercard/Plus/Cirrusネットワーク対応ならほぼ確実に使えます。画面に出る「日本円建てに変換しますか?」(DCC)は必ず拒否。大幅に不利な上乗せレートです。手数料は回数に比例するので、少額を何度もではなく、まとめて引き出すのがコツです。
カードの通用度
アメリカは非常にカード社会です。VisaとMastercardは高級レストランからフードトラック、高速道路の料金所までほぼ全域で使え、タッチ決済(Apple Pay・Google Pay)も広く普及しています。JCBはハワイ・グアムでは比較的通用しますが、本土では使えない場面が多いため、Visa/Mastercardを主軸にしてください。レンタカーとホテルのチェックインは、デポジットのためクレジットカード(デビット不可の場合あり)が求められるのが通例です。チップ、屋台、小さな店のために$50〜100の現金も携行を。
チップの相場
チップはアメリカの賃金制度の一部で、選択制ではありません。ウェイターやバーテンダーの多くは最低賃金を下回る基本給で働いており、チップが収入の本体です。標準相場:着席レストランは税抜額の18〜20%(15%が許容下限)、バーは1杯$1〜2、タクシー・配車アプリ15〜20%、ホテル清掃は1泊$2〜5を枕元に、ポーターは荷物1個$1〜2、バレーパーキング$2〜5、美容室15〜20%、フードデリバリー15〜20%または最低$3〜5。カード払いの場合はレシートのTip欄に金額を書き足して署名するか、端末の選択肢(18/20/22%)から選びます。6人以上のグループは自動的にサービス料が加算される店が増えています。
ご注意: 渡航前に必ず最新の為替レートを確認してください。両替は空港や銀行、認可された両替所で利用できます。
大使館・在外公館
アジア · 1
文化機関 — アメリカ
現地拠点をもつ語学講座・検定・図書館・文化プログラム。
Alliance Française
Alliance Française de Washington, DC
Washington, D.C.
Goethe-Institut
Goethe-Institut Boston
Boston
Goethe-Institut
Goethe-Institut Chicago
Chicago
Goethe-Institut
Goethe-Institut Houston
Houston
Goethe-Institut
Goethe-Institut San Francisco
San Francisco
Goethe-Institut
Goethe-Institut Washington
Washington, D.C.
Goethe-Institut
Goethe-Institut New York
ニューヨーク
Goethe-Institut
Goethe-Institut Los Angeles
ロサンゼルス
博物館
Smithsonian National Air and Space Museum
Washington, D.C.
よくある質問
必要です。ハワイ、グアム、サイパン(北マリアナ諸島)はいずれも米国の入国管理下にあり、日本のパスポートでの短期観光にはESTAの事前承認が求められます。なおグアム・サイパンにはESTAなしで入れるグアム-CNMI独自のビザ免除制度(45日以内)もありますが、ESTAを取っておけば米国全土で通用するため、ハワイや本土に行く可能性が少しでもあるならESTA取得が実務的です。
公式ルールでは遅くとも出発72時間前までの申請が求められます。承認は通常すぐ〜数時間で下りますが、まれに数日かかる場合があるため、航空券を買ったら早めに申請するのが安全です。申請先は米国政府のESTA公式サイトのみ。検索広告に出る代行サイトは、公式料金に高額な手数料を上乗せする業者です。
ESTAでの滞在は最長90日で、延長はできません。それ以上の滞在には、在日米国大使館・領事館でB-1/B-2ビザ(1回の入国で最長6か月)を申請します。DS-160のオンライン申請の後、面接が原則必要です。留学ならF-1、駐在ならL-1など、目的に応じたビザに切り替えてください。米国滞在中にESTAからビザへ切り替えることはできません。
アメリカへの旅行をご計画中ですか?入国に必要な手続きを確認し、オンラインで申請できます。
情報はVisajaの在外公館データベース(visaja.com)に基づき、公的な情報源と照合していますが、最終的な判断は常に公館自身にあります。