ベトナム
ベトナムは、南シナ海に沿ってS字に1,650km伸びる国土に、北のサパの棚田からハロン湾、ランタンの古都ホイアン、南のメコンデルタまで、何層もの旅を重ねた国です。フォーやバインミーに代表される世界水準の食文化だけでも、渡航の理由になります。日本のパスポートなら観光・商用45日までビザ不要(2023年8月に大幅拡大)。それを超える滞在は、政府公式サイトでのe-Visa取得が標準ルートです。
ベトナムのビザ・入国制度
ベトナムへの入国経路は複数あります。日本のパスポートは45日までビザ免除で、事前申請なしで入国でき、入国時にパスポートへ出国期限が明記されたスタンプが押されます。45日を超える滞在の標準ルートはe-Visaで、政府公式のe-Visaサイトからオンライン申請し、最長90日・一次または数次、審査は3〜5営業日。手数料は改定されることがあるため、申請時に公式で確認してください。紛らわしい代行サイトが検索上位に多いので、申請先は必ず政府公式を。従来型の大使館ビザと到着ビザ(VOA)は、いずれも現地スポンサー経由の事前承認レターが前提の制度で、レターなしで空港へ向かうと搭乗拒否・入国拒否になり得ます。パスポートは残存6か月以上・空白2ページが必要で、1,500万ドン超または5,000 USD超の現金持ち込みは税関申告が必要です。オーバーステイには罰金・強制退去・再入国禁止で臨む国なので、滞在計画は慎重に。
ビザの種類
日本、英国、EU主要国、韓国などのパスポート保持者の観光・商用。事前申請不要で、入国時にスタンプで出国期限が示されます。残存6か月・空白2ページのパスポートが必要で、入国と出国は同じパスポートで行います。
渡航前に知っておくべきこと
- 45日ビザ免除:日本のパスポートは観光・商用45日までビザ不要です。入国スタンプに出国期限が明記されるので必ず確認を。46日以上はe-Visaを事前取得してください。
- e-Visaは公式サイトから:申請は政府公式のe-Visaサイトのみ。似た名前の代行サイトが検索上位に多数あり、手数料を上乗せします。最長90日・審査3〜5営業日で、手数料は申請時に公式で確認を。
- VOAは「事前承認レター必須」:ベトナムの到着ビザはレターなしでは機能しません。レターなしで空港へ向かうと搭乗拒否があり得ます。現在はe-Visaを使うのが標準です。
- パスポート要件:残存6か月以上・空白2ページ以上。出入国は同じパスポートで。
- 現金の申告:1,500万ドン超または5,000 USD超(相当額の円も含む)の持ち込みは税関申告が必要です。
- オーバーステイ厳禁:罰金、強制退去、再入国禁止が現実に執行されます。延長は現地手続きが不安定なので、最初から日数設計を。
- 交通安全:交通事故(特にバイク)は旅行者の最大リスクです。道路横断は「一定速度でゆっくり歩く」がベトナム流。走らない、止まらない。バイクレンタルは国際免許(二輪)とヘルメット、保険条件の確認を。
- 水と食:水道水は飲まず、ボトル水を。氷は観光エリアの店では概ね工場製で安全ですが、屋台では判断を。屋台は回転の速い店を選ぶのが鉄則です。
- 通貨感覚:ドンは桁が大きく、紙幣の0の数を間違えやすいのが実務上の最大の罠です。10万ドンと1万ドン札は色も似ています。最初の両替で「1万ドンが何円か」の基準を作り、支払い時に一呼吸おいて0の数を確認してください。
- 配車アプリ:Grabがタクシーとバイクタクシーをカバーし、料金事前確定で安心です。空港タクシーは公式カウンターか配車アプリを。
旅行概要
ベトナムの定番は南北縦断です。ハノイでは旧市街の喧騒と道端の小さな椅子のフォー、ハロン湾では1,600の石灰岩塔の間で迎える1泊クルーズの朝。中部のダナンは日本からの直行便もあるリゾート拠点で、ランタンの古都ホイアンと王宮の街フエ(ともに世界遺産)を両翼に持ちます。南のホーチミンはバイクの奔流と屋台とカフェの街で、足を延ばせばメコンデルタの水上マーケット。そして食の旅としてのベトナムは、屋台の一杯からコロニアル建築のファインダイニングまで、世界最高水準の味が驚くほど手頃に続きます。45日のビザ免除は、この国の層をゆっくり剥がしていくのに十分な長さです。
ベトナムを発見
S字に1,650km伸びる国土は、ハノイからホーチミンまで縦断すると2〜3週間の旅になります。設計の基本は三つのブロックです。北のハノイ+ハロン湾、中部のダナン・ホイアン・フエ、南のホーチミン+メコンデルタ。日本からの1週間なら、直行便のあるダナンを拠点に中部だけを深く回るのが最も密度の高い選択肢です。10日あればハノイから中部まで、45日のビザ免除を使い切る長旅なら、サパの棚田やフォンニャの洞窟群まで組み込めます。国内線が手頃で、夜行列車と寝台バスが移動と宿泊を兼ねてくれるので、「移動日=消える日」にならないのが縦断旅の強みです。
この目的地の楽しみ方
旧市街の36通り、ホアンキエム湖と玉山祠、タンロン王城(世界遺産)、ホーチミン廟、そして道端のフォーとエッグコーヒー。ハロン湾の1泊クルーズ(世界遺産)、ニンビンの陸のハロン湾(チャンアン、世界遺産)、サパの棚田と山岳民族の村へのトレッキングが北部の柱です。
ダナンはミーケービーチとバーナーヒルズ(ゴールデンブリッジ)を持つリゾート拠点で、日本からの直行便もあります。ホイアン(世界遺産)はランタンの古都。満月のランタン祭り、オーダーメイドの仕立て、カオラウ。フエ(世界遺産)は阮朝の王宮と帝廟、宮廷料理。3都市はタクシーと列車で結べる、ベトナムで最も密度の高い観光回廊です。
統一会堂、戦争証跡博物館、中央郵便局とドンコイ通りのコロニアル建築、ベンタイン市場、バイクの奔流を見下ろすルーフトップバー。クチトンネルの半日ツアー、メコンデルタ(ミトー、カントーの水上マーケット)への日帰り〜1泊が定番の広がりです。
ダナンのミーケービーチ、ニャチャンのリゾートとダイビング、フーコック島(南端の島。ビーチと日没とナイトマーケット)、クイニョンの静かな海岸。雨季は地域でずれる(南部5〜11月、中部9〜12月)ため、時期に合わせて海を選べます。
フォンニャ=ケバン国立公園(世界遺産)は洞窟の王国です。地球最大の洞窟ソンドン(数か月待ちの探検ツアー)、パラダイス洞窟、フォンニャ洞窟の川下り。ハザンのループ(北部山岳のバイク周遊)、ダラットの高原アドベンチャーも近年人気を伸ばしています。
フォー、ブンチャー、バインミー、カオラウ、バインセオ、生春巻き、エッグコーヒー、コンデンスミルクのベトナムコーヒー。屋台の小さな椅子文化、市場の食堂、料理教室(市場買い出し付き)。地域ごとに麺と味が変わるので、「北・中・南で同じ料理を食べ比べる」のがベトナム食旅の王道です。
お金と通貨
ベトナムドン(VND)
通貨コード: VND
お金の実用的なヒント
高額紙幣の取り違えが最大の罠
ベトナムドンは最高50万ドンまで紙幣があり、20万ドンと50万ドンは色調が似ているため、旅行者の取り違えが後を絶ちません。2万・20万・200万という0の数の混乱も定番です。両替カウンターと支払いの場面では急がず、お釣りは必ずその場で数えること。ATMでは明るい場所の機械を選び、紙幣を数えてから立ち去る習慣を。最初の両替で「1万ドンが何円か」の基準を作り、以後はその数字で暗算するのがコツです。
ATMは豊富だが1回の上限が低い
ATMは都市と観光地に十分あります(Vietcombank、Techcombank、BIDV、VPBank)。ただし1回の引き出し上限が低めに設定されており、ATM側の手数料が1回2万〜6万ドンかかります。上限は端末ごとの制限なので複数回に分けて引き出せますが、手数料も回数分かかります。上限の大きい銀行(Vietcombankなど)でまとめて引き出すのが実務的です。「日本円建てで確定(DCC)」は必ず拒否してドン建てを選択。カードは2枚(Visa+Mastercard)を別々に携行してください。
現金が主役:カードは都市のホテル・大型店まで
Visa/Mastercardが使えるのは、ハノイとホーチミンの国際ホテル、大手チェーンレストラン、高級店までです。地方、小さな町、屋台、市場、都市間バス、ゲストハウスの多くは現金のみ。地元のQR決済(MoMo、ZaloPay)はベトナムの電話番号と銀行口座が前提で、旅行者は使えません。日本のキャッシュレス感覚は通用しない国と考え、常に現金を分散携行してください。
チップは伝統ではないが、喜ばれる
ベトナムにチップの伝統はありませんが、観光エリアでは外国人からのチップが期待されつつあります。レストランで良いサービスに2万〜5万ドンか端数の切り上げ、ガイドとドライバーに1日10万〜20万ドン、マッサージ・スパで5万〜10万ドン、ホテルのポーターに荷物1個2万〜5万ドンが目安です。義務ではありません。ただ現地の賃金水準を考えれば、小さな額が大きな意味を持つ国です。
ご注意: 渡航前に必ず最新の為替レートを確認してください。両替は空港や銀行、認可された両替所で利用できます。
都市と旅の計画
大使館・在外公館
よくある質問
45日以内の観光・商用ならビザ不要です(2023年8月に15日から45日へ拡大されました)。事前申請も不要で、入国時にスタンプで出国期限が示されます。パスポートは残存6か月以上・空白2ページ以上が必要です。45日を超える計画なら、政府公式のe-Visaサイトでe-Visa(最長90日、審査3〜5営業日。手数料は公式で確認を)を事前取得してください。
公式サイトの見極めです。政府公式のe-Visaサイトは一つだけですが、似たドメインの代行サイトが検索広告の上位を占めており、同じ申請に高額の手数料を上乗せします。申請にはパスポートの顔写真ページと証明写真のアップロードが必要で、審査は3〜5営業日。直前申請は避けてください。承認書(PDF)は印刷して携行し、入国時にパスポートとともに提示します。一次か数次かは、カンボジア・ラオスへの陸路周遊があるかで選びましょう。
同じです。45日のビザ免除は入国地点を問わず適用されます。ダナンへは日本からの直行便もあり、ダナン+ホイアン+フエの中部周遊は5〜7日で完結する、日本市場で最も伸びている旅程です。ホイアンのランタン祭り(旧暦の満月の夜)に日程を合わせられるなら、それだけで旅の格が一段上がります。
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